kikuoopsのBlog

ワークキャピタルという会社をやってます。by 菊岡翔太

3層で考える

なんでしょう。

今のこの世の中がどんどん変化しているタイミング。

起業したからそう感じるようになったのか、はたまたそうでなくとも当たり前のように分かるくらいの大きな動きなのか。どちらかはわからないのですが、本当に日々感じているのは、今は社会の大きな変化の真っ只中にいるということ。

自分はそうしたタイミングで生きているのは、なんて幸せなことなんだろうと思うことも多いのです。

少し脱線しますが、控えめに見てみても、明らかに僕の親の世代のときよりも何かを始めるときのハードルが低いですし、社会も許容してくれています。

事業を立ち上げるという観点からすれば、今は普段使っているPCとスマホだけで事業が始められるのです。

株式会社を作るにしても、一昔前のように資本金1000万円も必要なく、1円から始められちゃいます。(実際は登記に25万円くらいかかるのですが)

 

ちょっと話を戻します。

おそらく、今のこの時期はこの先20年、30年の社会を決めるくらいの大きな変化の中なんだろうなと思うわけです。

それは、AIやブロックチェーン、バイオテクノロジーであったり、同時多発的に起きている新たなテクノロジーであったりします。テクノロジーが未来をどんどん変えちゃうという期待値が大きいわけで、結果企業の時価総額にも反映されていくわけです。世界の時価総額を見てもわかるように、ほとんどがテクノロジー企業となっているわけで、時価総額というのは今稼ぐ力よりも、それよりも未来に対する期待で評価がされるのがこの世界。

なぜ今、ITがこれだけ大きな力をもっていて、新たなテクノロジーが広がってきているかというと、やはり全てインターネットが広がったからという当たり前の部分に帰結します。

95年のWindows 95から20年と少し。この期間で、すごいスピードで社会の中で広がってきて、ネットワークのインフラ構築が進んで、IoTとか呼ばれてしまうようなもので全ての機器が実質上ネットと繋がれる時代に入ってきています。

それとスマートフォンの登場で、誰もがいつでもネットを使うことになって、さらにインターネットの進化が進んだわけです。

何が言いたいかというと、インターネットが社会の隅から隅まで、そして当たり前のように社会に浸透しているからこそ、今起こっているテクノロジーの進化はそれらを土台にして次のステージに入ってきたというのを感じています。

社会のなかにインターネットが浸透して、これから先に向けてインフラが整った状態という感じ。だからこそ、自動運転などのIoTであったり、AIを活用したロボットとかそういうことが一気に花開いてきているのだと思っています。

 

すごく前書きが長くなりましたが、(汗)
最近未来の社会とかテクノロジーを考えていると、ふと勝手に納得した部分があります。

それは、タイトルにあるように「3層で考える」ということ。

3層とは何なのかというと、Research、Development、Applicationという3つ。なんだか良い日本語が頭に浮かんでこないので、英語でごまかしているわけですが、とにかくこの3つ。

難しく書いているんですが、昔から普通にある考え方なのだと思うのですが、メーカーでは「研究開発」、「製造」、「販売」という部門があって、それとほぼ同じ。
テクノロジーを考えるときに、まず根っこ(ベース)にあるのが、Researchであり研究や開発。新しい技術を水面下でいろいろ考えている人達がいるのです。

次にDevelopmentがあって、Researchしたものをベースにモノを作ったりするわけです。ここでいうモノとはハードだけでなくてソフトももちろん含まれます。

そして最後にApplicationがあって、通常これはセールスに相当したりします。

最後に消費者に届けるときには、Applicationという部分が大切になってきます。消費者と接点を持つのはこのApplicationの部分ということになってきます。
消費者のニーズに合わせて、Developmentで作ったものをカスタマイズしたりして、最後のApplicationで調整するのです。

そうすると、カスタマイズしないでそのまま使う製品もたくさんあるじゃないかという話になるわけです。というかほとんど全てがそういった製品です。
例えば、料理すると想定して、まな板も包丁もカスタマイズしないので。ただ、ここでいうこのApplicationというのはもっと広い意味があって、例えばもうすでに包丁もまな板も持っている一般の主婦の人には必要とないわけです。

ただ、どうでしょう。この主婦がコストコみたいなところで週末に1週間分の肉をまとめて買って、すぐに使わない分は冷凍庫で凍らせるとしたら。
そうしたらこの主婦は、凍ったままの肉をそのまま切れる包丁がほしくなってきます。
もしくは、5人家族でたくさんの料理をしていてもっと大きなまな板があったら、料理が楽になって、料理中に都度まな板を洗わなくて良いとしたら。

こうしたこともApplicationに含まれていて、消費者(ユーザー)というのは、ひとそれぞれ多様な課題をもっている。
課題がたくさんだからこそ、決まりきった製品・サービスをそのまま使ってくれるというのではなく、その人に合ったものが望まれてきたりします。

そういう面では、スタートトゥデイ社が始めたような、それぞれの人のサイズにピッタリ合うような服のプライベートブランドは、Applicationの最たる例だと思います。

 

また少し戻ります。

インターネットが真に使われるようになり始めて20年。いまこのさまざまなテクノロジーが急速に広がっているタイミングというのは、一歩引いて大きく捉えると、ようやくDevelopmentが終わって、Applicationが出始めてきている、そんなタイミングなように思っています。いかに既存のテクノロジーを活用して、それぞれの人に合わせて使えるようにしていくか。さまざまあるテクノロジーをピックアップして、いかにそれぞれの人の課題や要望に応えていくか。

一見すると、いろんな製品・サービスが世の中に出ているように感じますが、実はまだまだ人がそうしたものに合わせている状態であって、このApplicationの層というものが、これからは大きな広がりを見せてくるのではと思っています。だからこそ、既にあるそうしたテクノロジーをうまく見極めて、活用して、課題を解決していく人というのが大切になってくると思うのです。

 

もうひとつ。

テクノロジー全盛の時代だからこそ、技術を理解しなければならないのかという議論はよくありますが、僕は決してそうではないと思っています。どういったことを目指すのかによりますが、上に書いたように大切なのは最終的にユーザーとの接点となるApplicationの部分。

一番大きいのはApplicationの層だからこそ、必ずしも技術を深く理解する必要は全ての人にはなく、それよりも消費者が悩んでいること、目の前のお客さんの隠れた課題をすくい取ってあげて、ピックアップしたテクノロジーで解決していくことが大切なのかなと思っています。

 

ダラダラ書いてしまいましたが、こうした3層というのを最近考えるようになった次第です。(ただこうした自分の考えも今後変わっていく可能性が十分にありえてしまうのも、また事実です。)