kikuoopsのBlog

ワークキャピタルという会社をやってます。by 菊岡翔太

ダボス会議でのジャック・マー対談内容(1/3)

僕が最も尊敬する人物。それがAlibabaのジャック・マー。

毎日Youtubeにあるジャック・マーのスピーチを観ているといっても過言ではないくらい。朝着替えをしているときも、ご飯を食べているときも、彼のスピーチばかり観ている。

なぜそれほど好きなのか。それは彼の哲学、思想が非常に本質的であり、同時に誰よりもクリアに未来を見通している人物であるからだ。

そんな僕は、最近は毎月1回Alibaba本社宛にジャック・マーに会いたいと手紙を書いている(笑)。返事はこないが、書き続けていつか本当に会って、一度でも話を聞いてみたいと思っている。

 

毎年この時期にスイスで開催されているダボス会議。世界中からビジネス、政治などさまざまな著名人が集まる、まさに世界の知が集結する場所。

ジャック・マーもこの会議の中で対談をしている。その中で話していることは、未来を知る上でとても大切なので、ポイントを整理して書いておく。

なお、対談通りの話の順番ではないが、整理してあるので、あえて順番を異なる箇所としているところもある。

今回は前半の対談部分のみの部分をまとめているので、次の後半の回では、参加者からの質問部分から書いていく予定。

 

 

www.youtube.com

AlibabaMeet the Leader with Jack Ma (58:02)

インタビュアー: Abi RamananImpact VisionCEO

 

今最も期待していること、そして恐れていること

テクノロジーの進化はこれまでに、第一次世界大戦第二次世界大戦を引き起こしてきた。

今後30年はますます大きい変化が起きてくるであろう。

現在のテクノロジーの進化は、第三次世界大戦を引き起こす。ただし、それは人間同士ではなく、もっと大きなテーマであり、貧困や社会に蔓延する病気などに対する戦いになるであろう。

 

キャリアについてどう考えるべきか

年齢によって、人は大切にすることは変わっていく。

2030歳: 良い会社で、良い上司に出会い、ビジネスの仕方を学びなさい。

3040歳: 何かしたいという気持ちがあるならやってみなさい。Just Do It. まだ失敗できる余裕がある年齢だ。

4050歳: 得意なことにフォーカスしなさい。単純に興味があるとか、全く新しいことをするのではなく、自分のことをよく理解して得意なことで勝負しなさい。

5060歳: 自分のことではなく、次の世代を育てなさい。

60歳~: 孫と過ごしなさい。(笑)

 

どれくらい先を見てビジネスを始めるべきか

決して慌てるな。長い時間軸で捉えて、勝負をしなさい。

今この瞬間に成功したいというのは無理だ。

1年後に成功したいというのも無理だ。

もし10年後に勝ちたいと思うのなら、それは可能だ。

 

私は貧しい家の出身で、自慢できる教育も受けていない。試験も落ち続けてきた。

だけれど他の人と競争して勝つために、私は常に10年後を目指してきた。10年後に勝負をしようと思ってきた。

インターネットが出始めたとき、10年後に起こることを確信して、そのゴールに向けて準備をしてきた。

来月勝とうと思っても、チャンスはない。

多くの分野では、自分よりもすでに長くやっている人がいて、その人に勝つことはできない。だからこそ、大きな時代の変化を捉えて、先々を見据えた行動をすべきだ。

 

女性の活躍について

現在アリババ社の従業員の49%が女性であり、それをとても嬉しく思っている。

今の時代はIQEQLQ3つが大切だ。

IQはご存知の通り、頭の知能指数

EQは心の知能指数

LQとは何か。それはQ of Love。愛情の知能指数である。リスペクトされたいならLQが大切である。

女性はこのIQEQLQ3つのバランスがとても良い。

よく見てみると、男性は自分のほしいものだけを買う一方、女性は子どもや両親へよくプレゼントをしている。(笑)

そして、もし男性だけの会社なら決して長くは続かない。

 

大切にするものの順番

ずっと言い続けてきたことであるが、Customer No.1, Employee No.2, Shareholder No.3

(お客が1番目、従業員が2番目、そして株主が3番目)

お客が喜んでくれれば、従業員も喜ぶ。そして業績も上がり株主も喜ぶというシンプルな構造を大切にしてきた。

 

グローバリゼーションについて

貿易がストップすると、戦争が始まる。When the trade stops, war starts.

これまでは貿易に多くの費用がかかってきた。そして、それはずっと資本のある大企業のものであり、若い人々、中小企業は無視されてきた。

これまでは、世界のたった6万の大企業に貿易が支配されていた。

 

ただしテクノロジーの進化により、これからは全ての人がトレードする機会をもっている。

これからは貿易が6億の企業のためのものになっていく。

スマートフォンで、ケニヤや、スウェーデンから当たり前のようにものが買える時代になっていく。

グローバルな支払い、グローバルな配送が普通になっていく。

 

お金について

1億円、2億円までは自分のお金ではあるが、1000億円になると、それは決して自分のお金ではない。

社会からの信頼である。

だからこそ、そのような多くのお金を持っている人は、政府よりも、誰よりも有効にお金を使っていくべきである。なぜなら、社会から信頼されてお金を付与されているのだから。