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ワークキャピタルという会社をやってます。by 菊岡翔太

ダボス会議でのジャック・マー対談内容(2/3)

ジャック・マーのダボス会議での対談の続きを記載します。

ここからは参加者との質疑応答。動画では21:05くらいのところから。

それではどうぞ! 

 

 

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■Q.(参加者): 今の時代、社会貢献の役割はどう変わっていると思いますか?

 

A.(ジャック・マー): 確かに役割は変わってきている。

ただだれかためになるのではなく、それは自分自身のためでもある。

 

以前、中国や日本で地震があり、会社の中でも大きな議論になったことがある。

その時に私たちは日本に200万円くらいの寄付をした。150万円くらいの寄付を中国にした。

なぜ寄付をするのに、それだけの少ない額しか寄付をしないのかと言う人がいた。なぜなら私たちは大きなお金を稼いでいたから、やるのであれば大きな額にするべきだと言った。

私が思っているのは、何億円、何十億円もの寄付をしようが、それは全体にとってみたらほんの一部でしかない。

ただし少額であろうが、寄付をすること自体で大切で、その行動によって自分たちが変わることができる。

自分たちが変われば、世界が変わる。

だからこそ、まず自分たちを変えなければいけない。

 

社会貢献とは、ただ単にお金を与えることだけではない。

行動すること、参加すること、人々の意識を高めて起き上がらせることに意味がある。

 

そして私自身も、この場所自体が社会貢献と思っている。

ダボス会議に呼んでもらって、多くの著名人の話を聞いた。それで自分を成長させることができた。

そして今、私は若い人たちに出来る限り話しかけている。その時のお返しをするためにだ。

 

慈善では決して世界をかえることはできない。

社会貢献の心をもつことが大切である。

 

ここにいるみなさんはビジネスの考えを多く持っている方が多い。

従業員と長く一緒に事業をしたいのなら、「種」を植えなければいけない。

その種とは、社会を手助けするという意識をもつことであり、他の人を手助けするという意識である。

後からではなく、最初からそうした考えを組織に入れなければいけない。

 

 

■Q.(参加者): あなたが小さい子どものときに、今のような成功を見通していましたか?もしそうであれば、成功するために信念は大事だと思いますか?

 

A.(ジャック・マー): 小さい子どものときに今のようなことは、決して予測できたものではなかった。

そして、今でも私がここにいることは信じられないことである。

 

私は本当に何度も失敗した。30もの仕事に落ちた。

24人がKFCの仕事に応募したとき、23人が受かり、私だけが落とされた。

5人が警察の仕事に応募したが、4人が受かり、私だけが落とされた。

従兄弟と一緒にホテルでの仕事を受けに行って、2時間待たされて、結局従兄弟は受かって、私は落ちた。

 

ただこうしたことは私にとって、自分自身にとっての訓練であった。

30歳になるころには、私は文字通り失敗した人間だった。

だけれど、私は決して諦めなかった。

 

大学を卒業してから、6年間大学の先生をやった。その時に教えていたことは主に本から学んだことだった。

その時は本からの知識だったけれど、むこう10年間で私自身がいろいろな経験をして、成功も失敗も経験して、その上で先生に戻ったらどうなるか。もっと良い先生になれるのではないか。

それが私にとって、アリババをスタートしたときの最初の考えだった。

 

お金持ちになろうとか、成功しようとか、思ったことは一度もなかった。

ただ18年間必死に生き残っていこうと思ってきた。

 

そして、私自身今やることは、経験やノウハウを共有することである。特に失敗を共有することだ。

みなさんに言いたいのは、成功から学ぶのではなく、失敗から学んでほしいということ。なぜなら、成功はいろいろな要素が組み合わなければできない。

 

2000年頃、ハーバードビジネスレビューケーススタディとして取り上げられたが、そのときは競合が勝ち、アリババが負けると言われていた。

だけれどそれは逆になり、競合全てがいなくなり、私たちが残った。

失敗から学ぶべきだ。失敗から学んでいると、困難なときに直面したときにあなたはどう対処すべきかがわかっているからだ。

もし将来本を書く時期がきたら、私はアリババ1001の間違いという本を書きたい。

間違いがこそが重要だ。

 

 

■Q.(参加者) あなた自身、研究に多くのお金を投資しているが、人間や創造性にどう影響すると考えるか?

 

A.(ジャック・マー):その通りで、会社としてハイテクな研究に多くの資金を投入している。

一方、私はAIビッグデータが人間の脅威となるという議論は好きではない。

蒸気機関、車がきたときも、最初は人間はそうした新しいものを嫌っていた。

私たちはテクノロジーを活用して、人がやれることを増やしていき、人をエンパワメントしていきたい。

 

AIは良いものである。

コンピューターは常に人よりも、頭が良い(smartだ)。

ただしコンピューターは人間よりも賢く(wise)はなれない。

頭が良い(smartな)人は、他の人が見えていないものを見える。

賢い(wiseな)人は、それが見えても、見えていないように振る舞う。

 

頭が良い(smartな)人は、人が何をほしいかがわかる。

賢い(wiseな)人は、何がほしくないかがわかる。

知恵がある人は、これがほしくないという言葉から、本当は何を欲しているかがわかる。

私たちは人間をサポートすることに投資をしている。これはアリババをサポートするためではない。人間をサポートするためのもので、世界中にオープンなものとしている。

 

 

■Q.(参加者): リーダーとして心から感じることをやっているのか。もしくは心と理性を同時に入れて、意思決定をしているのか。

 

A.(ジャック・マー):まず第一に、直感が最初である。

そして第二に、訓練する必要がある。辛い体験から学び訓練をしていく。ただそうした辛い中でも、常にポジティブであるべきだ。

私自身偉大なリーダーに多く会ってきたが、彼らは常にポジティブで、人の不満を言わない。そして一般の人とは異なった見方をしている。

私の会社の最初の頃、従業員みな私のことが好きではなかった。なぜなら、私はいつも5年後、10年後の話をするから。

3年から5年一緒に働いたときに、みなが変わっていき、私の考えは正しいと言われるようになってきた。

 

CEOとして大切なこと。私は、みなが良い状態でハッピーなときに、良くないものを見つめている。逆のことを見ている。

リーダーシップは生まれ持ったものではあるが、訓練していくことができる。

私自身もリーダーシップ能力を、ここダボス会議で伸ばすことができている。

 

実は、アリペイを始める際の決定はこのダボス会議で決めた。

中国では当時、ライセンスなしで金融を始めることは監獄行きを意味していた。

Eコマースのトランザクションを手伝ってくれないかと銀行に掛け合ったが、どこも許可しなかった。

だけれどEコマースにおいて、このお金のトランザクションの問題を解決しなければ、発展できないことは明白だった。

 

2004年、私はここダボスでリーダーシップの話を聞いた。

ある人が、リーダーシップとは責任であるということを言っていた。

あなたが信じていることに他の人が信じていないとしても、その思っていることが決定的に重要なものであるなら、いくら払ってもやりなさい、と。

私はその後すぐに会社に電話をかけて、アリペイを1ヶ月以内にリリースさせようと言った。

そのときに次のことも話をした。

もしだれか一人が監獄に行かなければならないとしたら、私が行く。次に続くのは誰だと聞いた。私が監獄に行ったら、次の者がやるんだ。その者が監獄に行ったらその次の人が続けるんだ、と。

そして、今アリペイは8億人に使われるまでに成長した。

 

■Q.(参加者): 始めたばかりの頃どうやって会社を育て、宣伝したか?

 

A.(ジャック・マー): 18人の創業者と一緒に始められて私は幸運だった。

その時に、私たちは本当に多くのビデオを撮った。

最初のミーティングも撮影していたし、未だにとてもたくさんのビデオテープが残っている。

私は最初のビデオで2時間話していたが、皆ぽかんと口を開けていた。(笑)

 

なぜそうしたことをしたのか。

それは、失敗しても成功しても、将来だれかに見せられると思ったからだ。共有したいと思ったからだ。

 

当時、私はテクノロジーを知らないし、マネジメントも知らない。

私が大切にしていたことは、自分よりも賢い人を集めるということだった。

そして賢い人間が増えてきて、次に私の仕事としたことは、そうした賢い人間が一緒に働けるように調整したことである。ビジョンがしっかりとしていれば、賢い人間が一緒に働ける。賢い人間が働くと勝手に発展していく。

賢くない人間が一緒に働くのは簡単だ。賢い人間は他の人と一緒に働きたがらないからだ。(笑)

 

私は長期的なビジョンと短期的なことの二つを大切にした。

どんなに優れたビジョンをもっていても、存続できなければ意味がない。

 

会社を宣伝するために大事なのは、私自身ではない。

プロダクトであり、カルチャーであり、従業員である。

特に従業員は自分の会社のカルチャーを語る人間である。

従業員の最初の2000人までは、私は全ての人に話をした。

ダボス会議でのジャック・マー対談内容(1/3)

僕が最も尊敬する人物。それがAlibabaのジャック・マー。

毎日Youtubeにあるジャック・マーのスピーチを観ているといっても過言ではないくらい。朝着替えをしているときも、ご飯を食べているときも、彼のスピーチばかり観ている。

なぜそれほど好きなのか。それは彼の哲学、思想が非常に本質的であり、同時に誰よりもクリアに未来を見通している人物であるからだ。

そんな僕は、最近は毎月1回Alibaba本社宛にジャック・マーに会いたいと手紙を書いている(笑)。返事はこないが、書き続けていつか本当に会って、一度でも話を聞いてみたいと思っている。

 

毎年この時期にスイスで開催されているダボス会議。世界中からビジネス、政治などさまざまな著名人が集まる、まさに世界の知が集結する場所。

ジャック・マーもこの会議の中で対談をしている。その中で話していることは、未来を知る上でとても大切なので、ポイントを整理して書いておく。

なお、対談通りの話の順番ではないが、整理してあるので、あえて順番を異なる箇所としているところもある。

今回は前半の対談部分のみの部分をまとめているので、次の後半の回では、参加者からの質問部分から書いていく予定。

 

 

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AlibabaMeet the Leader with Jack Ma (58:02)

インタビュアー: Abi RamananImpact VisionCEO

 

今最も期待していること、そして恐れていること

テクノロジーの進化はこれまでに、第一次世界大戦第二次世界大戦を引き起こしてきた。

今後30年はますます大きい変化が起きてくるであろう。

現在のテクノロジーの進化は、第三次世界大戦を引き起こす。ただし、それは人間同士ではなく、もっと大きなテーマであり、貧困や社会に蔓延する病気などに対する戦いになるであろう。

 

キャリアについてどう考えるべきか

年齢によって、人は大切にすることは変わっていく。

2030歳: 良い会社で、良い上司に出会い、ビジネスの仕方を学びなさい。

3040歳: 何かしたいという気持ちがあるならやってみなさい。Just Do It. まだ失敗できる余裕がある年齢だ。

4050歳: 得意なことにフォーカスしなさい。単純に興味があるとか、全く新しいことをするのではなく、自分のことをよく理解して得意なことで勝負しなさい。

5060歳: 自分のことではなく、次の世代を育てなさい。

60歳~: 孫と過ごしなさい。(笑)

 

どれくらい先を見てビジネスを始めるべきか

決して慌てるな。長い時間軸で捉えて、勝負をしなさい。

今この瞬間に成功したいというのは無理だ。

1年後に成功したいというのも無理だ。

もし10年後に勝ちたいと思うのなら、それは可能だ。

 

私は貧しい家の出身で、自慢できる教育も受けていない。試験も落ち続けてきた。

だけれど他の人と競争して勝つために、私は常に10年後を目指してきた。10年後に勝負をしようと思ってきた。

インターネットが出始めたとき、10年後に起こることを確信して、そのゴールに向けて準備をしてきた。

来月勝とうと思っても、チャンスはない。

多くの分野では、自分よりもすでに長くやっている人がいて、その人に勝つことはできない。だからこそ、大きな時代の変化を捉えて、先々を見据えた行動をすべきだ。

 

女性の活躍について

現在アリババ社の従業員の49%が女性であり、それをとても嬉しく思っている。

今の時代はIQEQLQ3つが大切だ。

IQはご存知の通り、頭の知能指数

EQは心の知能指数

LQとは何か。それはQ of Love。愛情の知能指数である。リスペクトされたいならLQが大切である。

女性はこのIQEQLQ3つのバランスがとても良い。

よく見てみると、男性は自分のほしいものだけを買う一方、女性は子どもや両親へよくプレゼントをしている。(笑)

そして、もし男性だけの会社なら決して長くは続かない。

 

大切にするものの順番

ずっと言い続けてきたことであるが、Customer No.1, Employee No.2, Shareholder No.3

(お客が1番目、従業員が2番目、そして株主が3番目)

お客が喜んでくれれば、従業員も喜ぶ。そして業績も上がり株主も喜ぶというシンプルな構造を大切にしてきた。

 

グローバリゼーションについて

貿易がストップすると、戦争が始まる。When the trade stops, war starts.

これまでは貿易に多くの費用がかかってきた。そして、それはずっと資本のある大企業のものであり、若い人々、中小企業は無視されてきた。

これまでは、世界のたった6万の大企業に貿易が支配されていた。

 

ただしテクノロジーの進化により、これからは全ての人がトレードする機会をもっている。

これからは貿易が6億の企業のためのものになっていく。

スマートフォンで、ケニヤや、スウェーデンから当たり前のようにものが買える時代になっていく。

グローバルな支払い、グローバルな配送が普通になっていく。

 

お金について

1億円、2億円までは自分のお金ではあるが、1000億円になると、それは決して自分のお金ではない。

社会からの信頼である。

だからこそ、そのような多くのお金を持っている人は、政府よりも、誰よりも有効にお金を使っていくべきである。なぜなら、社会から信頼されてお金を付与されているのだから。

ストライプインターナショナル石川康晴さんのお話

先月からNewsPicksアカデミアに入っていたので、今日はアースミュージックアンドエコロジーで有名なストライプインターナショナルの石川康晴さんの講演会に行ってきました。

僕はファッションには興味はほとんどないのだけれど、、石川さんは以前からずっと話を聞きたいと思っていた方でした。ファッション企業の経営者というよりも、ライフスタイル企業の経営者という方がピッタリ。

23年前に岡山で洋服屋1店舗からスタートした事業は、国内1200店舗、海外200店舗に拡大。それだけではなくて、洋服のレンタルWebサービスをやったり、ホテルをオープン予定だったり、時代の流れを読んで事業をぐっと広げられている方。

こうした事業は一朝一夕に出来上がったものではないですが、経営者の大先輩として、今のいろいろな仕掛けをされている姿が率直に羨ましく、いつかは追い越せるように、もっと頭を使って頑張りたいと思いました。

実は今回の内容は小売業者向けの色が強かったのですが、ただ普遍的な部分も多くありましたので、忘れないうちにメモとして残そうと思います。

 

内容は大きく下記の3つ。

(1)ストライプ社の未来戦略

(2)ストライプ社の組織戦略

(3)小売の未来

 

それぞれ書いていきます。かなりの乱文ぷりですので先に謝っておきます。

(1)ストライプ社の未来戦略

特徴としては特定のセグメントに絞ることなく、F1層もF2層も、男性も女性も、子どもからヤングミセスまで、全てをとりにいっているということ。

2年前には子供服のECをM&Aし、今期は対象事業で100億円の売上見込。プラットフォームへと育てていくことが狙い。

さらっとプラットフォームと書きましたが、石川さんが考えているのは、スケールしていく事業とスケールを大きく望まない事業に分けて手を打っていること。スケールしていくものに関してはプラットフォームを狙いにいく、という戦略。

ただ単に売るのではなく、大切なのはそこのデータをとりにいくということ。データをとることで、今後の打ち手に繋がる。

特徴的なのはさらに、アースミュージックアンドエコロジーで、全ての年齢層をグリップしにいこうとしていること。アパレルの常識としては、年齢ごとにブランドを分けていくが、セオリーから外れて、一つのブランドで異なる年齢層を捉える。

そのためにも、イメージを打ち出す女優も分けて同じブランドを訴求している。
・10代は広瀬すず
・20〜30代は宮崎あおい
・40〜50代は鈴木京香

 

そして二つ目は、単なる洋服屋ではなく、考えているのは人が起きている間でのタッチポイントをいくつも増やし、ストライプでお金を落とす仕組みをつくれないかということ。

例えば、Youtubeを観ている人は一見ファッションと関係ないように思われるかもしれないが、そういう人たちも取り込みたいと思っている。映画の事業に投資をしたのも、エンターテイメント領域もとっていきたいという思いがあるからこそ。

 

ここからはちょっと脱線。

■撤退基準と投資基準

□撤退基準

新しい事業については、撤退する基準を決めておく。基本的には、2年目に3億円の赤字になった瞬間に撤退させる。

ただし事業内容によって撤退基準は異なり、ホテル事業の場合は50億円の赤字が撤退基準となる。

 

□投資基準

成長マーケットや自分たちの得意分野では、強気に投資していく。
新規事業の9割は石川さん自身が決めている。
失敗する可能性が高いものを部長、課長にまかせてしまうと、その社員もしんどくなる。

社長の仕事としては大きく下記の3つ。
M&A
・先行ブランドを壊す
・リブランディング
新規事業は社長自身が引っ張っていく。そこに成長させたい4〜5人を巻き込む。

 

■衰退産業に身を置くということ

斜陽産業には実は勝機がある。
 →テクノロジーの理解が弱い人たちが多いため、そこが狙い目である。

 

■中国について

テクノロジーの面で、中国は日本の遙か先を行っていることを認識したほうが良い。

特に、深センがあることで、シリコンバレーに行く必要がなくなったくらい。

ID(セキュリティ)で、ペイメントをするということのインパクト。ITの面では、確実に中国が世界一に向かっていることを実感。

オンラインペイメントにより信用を築いているため、最も正確な仕組みを構築している。

 

■リテールの役割

これまでのように「買う」という行為自体が体験にはならなくなっている。

ストライプでは「ニューリテール」という言葉で、リテールの存在意義を再定義している。

リテールの役割としては、ユーザーとのエンゲージメントを高めること。

熱狂度を上げることで、ECで購買してもらうようになる。リアルな店舗がそうしたファンを増やし、熱を高める存在となる。Apple Storeのような役割かもしれない。

 

(2)ストライプ社の組織戦略 ※箇条書きで。

・新しいものをやっていると、おもしろい人が集まる。
・全員がリーダーになりたいというわけでない。それぞれの強み、役割があることを認識し、チームを作る。どういうタイプの人を置くのかはすごく意識すべし。
・KPI、KGIを明確にする。プロジェクトマネージャーがきちんとウォッチして、やばい、やばくないということをきちんと言えることが大切。
プロマネがプレイヤーになってしまうことが多い。それは防ぎたい。

プロマネが出来る人をアサインするのがスタート。そしてプレイヤーで走り回れる人を2番手にする。
・新規事業の公募制度をつくっている。40本公募があって10本程度を採用。
初期200万、運転資金300万で、計500万程度でテストし、育たなければそれで終わる。
ただし、そういう人はきちんと昇格させている。
・石川さんとしては、組織の一部分しかみていない人よりも、全体をみた人の方が強いという確信がある。

・30代、40代でグループ会社の社長に抜擢させたい。
グループ会社を成長させた人が、インターナショナルのボードメンバーに戻ってくるのが理想。

・リーダーに向かない人:コミュニケーション能力が低い人。
関係の質が結果の質に繋がる。
困っていたら手をさしのべる、落ち込んでいる人がいたら食事に誘うなど。かなりウェットな部分を大切にしている。
新規事業で、人間関係でゴタゴタしているチームがうまくいくところをみたことがない。

・現在ストライプ社の54%が女性管理職。
・BtoBは男性が多くなるのは理解できるが、BtoCは男性と女性が半々となるべき。
・女性の社員を増やすには残業を減らすしかない。そのための改革が必要。元々は猛烈の社内文化だった。
もともとは24時以降もザラであったが、だんだんと変革し、今は月間平均残業時間は8時間。

0)24時以降まで仕事することが常態化していた。
1)22時までに帰ること・・・大号令を入れた。※比較的容易。次からは仕組みが必要。
2)21時・・・増員により対応
3)20時・・・テクノロジーを活用
4)18時・・・必要な仕事のみにフォーカスした。横軸に利益、縦軸に時間。マトリクスをつくる。計9個。利益が高く、時間が短いものを整理した。自分たちではプライドがあるので、上司がきちんと整理する。会議を50%カットした。


M&Aについて

M&Aをする上で大切にしていることは踏み絵をしないこと。自分たちのやり方に合わせない。決めつけない。

内部留保せずに、積極的にM&Aなどに使っていく。

M&Aは一緒に仲間になるという考え。どちらが上も下もない。
・日本の社会は、もっと大企業が積極的にM&Aして買っていくべき。ベンチャー経営者も次に事業を立ち上げるなどして、社会を変えることをどんどんやっていけば良い。

 

(3)小売の未来

・今後人の購買行動はどう変わっていくか?
女性は一度着たものを、もう一度インスタにアップしたくない。だからこそ、CtoCのメルカリのようなサービスが必要となり、GUのような低価格が時代にあっている。
女性は「数」がほしい一方、男性は長く使う。

・これから動画のECは増えていく。所有から共有の文化へ変わってきている。
10代は所有ではなく、貸してもらうというマインド。

 

■メチャカリ
・30億の投資を当初より予定。
7年でユーザー1万1000人で黒字になるところが、3年半で現在9000人まで順調に増えている。

 

■アパレル事業の今後
・BtoCの問題点:高速の配送がある。
全体の25%を2週間で作ることが目標。※ZARAは全体の20%が2週間。

ストライプの場合は、そこにデジタルマーケティングを入れることで、世の中に必要なものを効率よく、高速に作り、在庫リスクを減らせる仕組みにしたい。

 

■カスタムオーダーについて
効率は良いけれど、スケールしない。30億円がアッパーになってしまう。

消費者はできたものを見たいという気持ちが強い。

 

■今後について
・デジタルマーケティングが最も重要であり、データを「何につかいたいのか」ということが大切。
・過去データを分析して、予測ができる。
発注とデリバリーでAIを使うのは、だれもが考えている。ストライプはその精度を上げていく。

・それだけではなく、ストライプがやりたいこととしては、デザイナーをAIに落とし込むということ。過去データ、教師データ(パリコレ等の記事、画像などをクロールさせて取得)をミックスさせてAIに入れて、服のデザインまでAIで行う未来。5年程度は要する。


■経営フレームワーク
・役員にはMBA取得をすすめている。
・国際的なフレームワークが必要。フレームワークがある人と、感情の人とでは会話が噛み合わないことがあるため。
・国際的に経営していく上では必要だと感じている。
自己啓発しない社員にお金をかける必要はない。従業員にも正しい投資をしていきたい。

・芸術、文化を理解することは大切。想像力が膨らむ。ヨーロッパの人たちは一般の人でも教養が深い。

■これからの日本について
中国、イスラエルでデジタルの波がきている。日本は30周遅れのレベル。
日本人は限られた時間で最高のパフォーマンスができる人種と信じている。
そのためには、デジタルマーケティングをどうしていくかということが一番大事になっていく。

事業をする上で大切にすること

年始のタイミングで、会社として今後どう進んでいくか、どういう価値観を大切にしていくか、ということをずっと考えていました。そのときに出していた理念も固まってきたので、ちょっと書いておきます。

事業開始前のタイミング、事業開始から2ヶ月ほど経ったタイミングで振り返って、更新をしたので、これが2回目の更新でした。事業が進んでいくごとに振り返って今後も更新していくことがあるかとは思いますが、今自分の中で大切にしたいことを記しました。

 

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■社是
私たちは、顧客の成長を願い、叶えることを自らの幸せとする。


■基本理念
一、挑戦者を応援し、自らも挑戦者であり続けることで、社会に勇気と活力を与える。
一、世界を活躍の舞台とし、大きく思考し、素早く行動する。
一、信頼を築き、発展ある仕事をする。


■経営方針
一、不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置く。
一、従業員は厳選されたる、かなり小員数をもって構成し、形式的職階制を避け、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き、個人の技能を最大限に発揮せしむ。
一、全ての従業員の個性を尊重し、多様性ある集団と、自由闊達な組織化された混沌を生み出す。

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あくまで事業をするのは、私利私欲ではなく、お金は大事だけどお金のためでなく、より良い社会づくりをしていくための手段。

「こうなりたい」という想いのある、意欲ある人を応援することが僕の事業。10cm高く跳びたいと願い努力する人を、15cm、20cm跳べるようにしていくのがこの事業の役割だと思っています。

相手が成長することを自分たちの幸せにしていきたい。邪念を入れずに、信頼をベースにした事業を展開していきたい、そう思っています。

そして、日本という国だけにこだわるのではなく、世界は広い。僕は、今この時代に生まれて本当に良かったと思っていて、国を移動することも親の世代と比べたら格段に良くなっています。そして、インターネットによって即座に、ほぼ無料で世界中とコミュニケーションができる。だからこそ、世界基準で大きく考えて、ただし行動は素早く、現場を大切にしていきたいと考えています。

この事業はまだまだ山の1合目にも着いていない。出発したばかりといったところ。

大きな山に挑んでいくからこそ、足腰を鍛えながら一歩一歩足を踏み出していきたい。そう考えて日々頑張ります。

2017年と2018年

前回ブログを書いてからしばらく経ってしまいました。反省、反省。

反省して新年最初のエントリーとなるわけです。

謙虚に、ということを大切にしたいと思っているので、反省から始まるのはいいことじゃないかと思うわけであります。(そんなことはない。

 

振り返ってみると2017年、いろいろな経験をさせてもらいました。今の状態に満足なんかしていませんが、それでも最高の1年でした。そしてとっても成長させてもらいました。

やはり一番大きかったのは事業を始めたこと。これに尽きます。

自分が20歳のときに決めていた、20代で起業するということ。それをギリギリ29歳で守ることができました。もちろん起業することはゴールでもなんでもなく、会社をやるというのは手段の一つではないことも理解しているつもりです。目的と手段をごっちゃにしないこと。

ただし大切なことは、やはり「やってみること」で本当に多くのことを学ぶんだと思います。やらないで考えていたり、完璧を求めていても、成長は限られる。

体当たりしてやってみたほうが良い。いろんなところに頭をぶつけてぶつけて、早く成長していくもの。こういうことは巷でよく言われていますが、本当にその通りだなあと思うわけです。

これは人間だけでなくて、全てにおいて同じだと思うんです。野生の動物なんかもワイルドな自然のなかで、生きるか死ぬかでたくましく育っていくんだなあと。

 

生き物だけじゃなくて、機械すら同じだなあと思うわけです。ディープラーニングなんかもそうで、どうやって正解を導き出すかというと、最初はひたすら失敗をして、成功したときにそれを繰り返すんです。

 

けん玉を失敗し続けるペッパーが、微修正を繰り返して少しずつ改善して100回超えたあたりで一度成功すると、それを記憶して何度やってもできるようになるという有名な動画。

 

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人間と同じにはできないものかもしれませんが、言いたいことはまずはやってみて失敗してみることだと。

 

僕自身もいろんなことをこの半年で経験できました。

最初にスタートしたシニアの人材事業を途中でストップさせ、別の事業へ舵を切っていきました。方針転換してからはとにかく事業を続けたいという思いで、ウェブサイト制作を中心にしてきました。がんばって営業した先には、きちんと売上があがってきまして、数ヶ月間はまずは「稼ぐこと」に集中しました。とすると、次に出てくるのは「自分はどこを目指しているんだっけ」ということ。

ビジョンを明確にもっていないからこそ、売上は出ていても何か物足りない。何か物足りないというよりも、全然物足りない。

そうすると、次のステージに入っていき、本当に自分がやりたいこと、社会へ提供したい価値を探すことになっていきました。

自分の中ですぐに答えが出たわけではありませんが、事業をしていく毎に少しずつ明確になってきて、今はビジョンがかなり固まってきました。

それは、「意欲ある中小企業の海外展開を支援する」ということ。支援し、成功させること。国内のマーケットが縮小し続けるからこそ、ますます海外で事業をしていくことが大切になってきます。昔のように安い人件費を求めて生産を海外に移すのではなく、売上をあげていくマーケットが海外になっていく。そうすることで、もう一段階成長のステップをあげられる。

と同時に大切なことは、そうした人たちが海外に挑戦して、成功させることで、まわりへ刺激を与える存在となること。

僕自身もそうで、英語が完璧ではないけれど、今も海外の企業と商談をしていっているわけです。海外事業をやりたいという人は多くいるけれど、実際にやる人は少ない。だからこそ、自分もどんどんチャレンジしていくことで、誰でも意思があれば世界を舞台に仕事もできるんだということをみせていきたいと思っています。

それと、自分はどこまでいっても仕事が好きなんだなあと思います。そして仕事を頑張っている人が好きで、応援したいし、儲かってもらいたいし、事業をうまくやってもらいたい。

だからこそ、自分が向き合いたいのは本気で事業をしている人たち。だけれど、新規事業でかつ海外となるとハードルが高い。それを僕の会社の力で、少しでも飛び越えていけるようにサポートしたい。

なんとか2017年中にそうした想いを徐々に定めることができました。

2018年はまだまだ基盤をつくる年ですが、少しずつ攻めていきたいと思っています!

嫌いなものが好きになるためには

昨日友人と会ったときの何気ない話のなかで、ちょっとビビっとくることがあったのでメモとして残しておく。

その女の友人は、週末の午前中に洗濯をするのが好きとのこと。僕の中ではまさに「えっ」という感じで、最初すごく不思議だった。

というのも、僕は洗濯機を回すとあの40分くらいのウィーンと回っている時間が気になってしまう。正確に言えば、40分洗濯機を回してそのままにしておけるのなら、別に気になることもないのだが、洗濯の終わりを伝える音楽が流れてからすぐに取り込まなければいけないのが辛い。

そのままにしておくとせっかく洗った服がシワシワになって、後悔するのはハンガーに干すときであり、たたむときである。

「ああ、なんで早く洗濯機から取り出さなかったんだろう」と思う。

だからこそ、洗濯機が回っている40分の過ごし方がわからないのだ。

下手に仕事をしてノッてきてしまうと、その良い感じで進んでいる仕事をストップさせたくない。かといって部屋の掃除に40分もかかるわけでもないし、必要以上に40分もかけて掃除をしようとは思わない。

ということがあって、洗濯機を回している時間というのは僕にとってなんだかソワソワする時間だ。おそらく生活のなかで一番ソワソワしている時間かもしれない。

 

話を戻す。

その友人にどうして洗濯が好きなのか聞いてみると、洗濯自体が好きというのではなく、洗濯の香りが好きというのだ。なんだ、ただのにおいフェチか。

いやいや。においフェチと適当に決めつける前に、なんだその「洗濯の香り」とは。僕は洗濯の香りなるものは感じたことがない。

もう少し聞いてみると、洗濯の香り=柔軟剤の香りとのこと。洗濯機をあけたとき、部屋でハンガーにかけるとき、そういうときにいい香りを感じられるのが好きとのこと。

そのとき僕の頭のなかで音がなる感じで発見があった。

洗濯という同じことをしているのに、耐えられない僕と楽しんでいる友人。

もっと言えば、洗濯の終わりを伝える音をビクビクしながら待っている僕と、楽しみにしている友人。

ここに大きな差があった。

ということで、その香りフェチの友人にオススメの柔軟剤を教えてもらい、さっそく買って帰ってきた。これでもう洗濯が嫌いではなくなって、楽しみになる。

 

と、ここで思った。

結局僕が嫌いだったのは、その40分間の時間であって香りなんぞどうでもよかったのだ。

僕にとっての原因は、あくまで「待ち時間」であり、ハンガーにかけるのが嫌いとかそういうことではなかった。

なんだか解くべき課題設定を間違えたようだ。ここまで楽しみにしていた自分が一気にがっかり。ただ、これからは「香り」というマジックで、洗濯する別のモチベーションが生まれた。

ちょっと真面目に考えると、今回は課題に対して直接的な解決策ではなかったけれど、こうした「好きではないこと」に対するアプローチっておもしろいなと思った。

好きではないことっていうのも2つあって、やってみたけど好きではないこと。やっていないけど好きじゃないだろうなということ。

後者については、とにかくやってみること。やってみると好きになることはたくさんある。仕事をしていてもそう。

やってみたけど好きではないこと。これはさらにわけられて、やらないといけないことと、やらなくても良いこと。

やらないといけないけれど、好きではないことに関しては、我慢してやるのもあるし、楽しめる方法をみつけることもある。どちらかといえば、ハックして楽しめる方法をみつけていきたいと個人的に思う。楽しめる方法を探すことを楽しむ、でも十分楽しめるんだと思う。

 

なんだか締まらない感じだが、洗濯からそんなことを思った、というお話。

 

 

転換

ちょっとしばらくブログ更新が滞ってしまった。というのも、実はシニア人材事業の他に、事業の柱をもう一本作っているからだ。

シニア人材の事業を1ヶ月半ほど行い、50以上の企業と50名以上のシニアの方々に会う中で、いろいろと見えてくることが多かった。逆に見えてきてしまったことで、事業モデルをもう一段階も二段階も見直さなければいけないと思うことがあった。

実際、このままこの事業だけで進んでいくと企業としては泥沼にはまっていく。それもよくわかった。

 

そうした中で、事業をしっかりと存続させ、そして発展させていくためにもきちんとした事業の柱をいま作っておくことが大切。同時にこれから長いであろう経営者人生のなかで、今の時期にしっかりと事業ができる体力をつけておくことも必要であると思うようになった。

ということがあり、シニア人材事業は存続させているものの、今自分の力の8割以上は別事業に投下している。

それは全く分野が異なるのだが、製造業の営業強化に関わる事業をしている。営業強化というと、WebマーケティングやWebサイト制作、営業コンサルティングなど。

実は、前職在籍中に週末などの時間を使って、個人事業主として製造業の会社の海外販売支援を行っていた。そのときには、同様に海外向けのWebサイトをつくったりということを中心に行っていた。

実際、それはそれで事業としても小さくともできていたし、かつ何よりも介在することの価値が非常に大きいことを実感していた。

技術面が中心の中小製造業にとっての課題は、営業であり、そして特にWebである。そこをカバーし、これまで関わりのなかった海外のクライアントとの接点を創りだすことができたことは当時非常に大きな充実感があった。

だからこそ、もう一度この分野で自分の力を使って、目の前の人の役に立とうと思うと同時に、会社としてしっかりと存続発展させていく。そして何より、これも非常に価値のあることであるので、充実して仕事をさせてもらっている。

マッチングビジネスは企業と人と両方が動いている存在のものであるのに対して、企業という軸1つを基本的にはみていくのは大きな違い。そしてスケールの小さな初期の段階でもマッチングのビジネスモデルと比較すると、事業にはなりやすいとは思っている。

また、以前からお世話になっている社長らもいて、この分野をしっかりと広げていこうと思っている。

これまでシニア雇用だ、人手不足への解決だ、と言っていた自分からすると、ちょっと急な方針転換に映るかもしれないが、正直なところ事業をやっていくとはそれくらいのものだ。それくらいの俊敏さ、切り替えは必要であると思っている。

この2ヶ月でもいろいろな経験をしながら、少しずつ前に進んできている。

これからはシニアの人材以外のテーマが中心になるかと思うが、変わらず読んでくれるとありがたい。